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膝痛、股関節痛と変形性関節症

膝痛、股関節痛と変形性関節症の概要と、原因、アプローチについて記述します。

変形性関節症

変形性関節症は、Osteoarthritis(オステオアースライタス)の略で、OAともいいます。整形外科の先生や、手技療法家等はOAと言う事もあります。OAという言葉を聞いたら変形性関節症の事だと思って下さい。膝のOA、股関節のOA、脊椎のOA、色々とあります。それぞれ変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)、変形性股関節症、脊椎症の事です。脊椎症に関しては別ページで詳細を記述しましたのでこちらをご覧ください。→脊椎症

変形性関節症とは、関節のクッションとなる軟骨や、脊椎関節に於いてはクッションとなる椎間板等の軟部組織が、経年劣化、つまり軟部組織の老化である退行変性と、長年の物理的な負荷、または、関節の歪みによる、長年の関節へのアンバランスな負荷により、軟部組織がすり減って骨同士が接触した状態です。軟部組織とは骨以外の柔らかい組織の総称で、ここでは軟骨、椎間板などです。軟骨や椎間板には痛覚のセンサーがないですが、骨には痛覚のセンサーがある為、痛みが出ます。また、骨同士が、強い物理的な負荷を受けると、骨は物理的な負荷に負けまいとして、いびつな増殖をします。この、いびつに増殖した骨を骨棘(こつきょく)といいます。骨同士の連結部分である関節で、いびつな骨同士が接触して動く為、動かしづらくなります。これが可動性低下です。まとめますと、変形性関節症は、軟骨、椎間板がすり減る事で、骨同士が接触し、骨同士がいびつな骨棘を形成して、痛み、可動性低下が起こります。

変形性関節症は軟骨の摩耗と骨の変形

変形性関節症とカイロプラクティックでいう所の変位、可動性低下と比較してみますと、カイロプラクティックの変位、可動性低下は、骨同士の位置関係の問題ですので、位置関係を修正する、いわゆる矯正によって問題を解決します。

変形性関節症の可動性低下は、骨同士の位置関係の問題ではなく、骨棘によって骨が変形している問題である為、位置関係を修正する関節の矯正は、骨の変形に対しての解決にはなりません。しかしながら、両者は併発している事が多い為、変形性関節症に対しても、関節の矯正は部分的に有効です。また、長い目で見た場合、適切な関節の矯正を続ける事で、軟骨や椎間板等の軟部組織を良好な状態に戻していく事が出来ます。

変形性関節症のアプローチ

変形性関節症のアプローチとしまして、軟部組織を良好な状態に戻す決め手は、体液循環の正常化です。例えば、関節の軟骨が再生されるのは、滑液(かつえき)の生成と回収による、循環の正常化によります。骨と骨を繋ぐ袋状の組織を関節包といいますが、関節包の中には軟骨が収まっていて、内部は滑液という液体で満されています。滑液の働きは、関節の潤滑としての働きと、軟骨への栄養供給です。そして、滑液を生成し回収しているのは関節包の内側にある滑膜(かつまく)です。滑膜の機能回復の為に、適切な関節の矯正によるメンテナンスが有効に働きます。加えて、関節の歪みによるアンバランスな負荷を軽減できます。

以上の様に、軟部組織の再生と、関節のアンバランスの負荷を軽減する事により、骨棘の増殖による変形も軽減、或いはストップ出来ます。

また、変形性関節症に関しては、なってしまってから完治させる事が難しく、逆に予防としての効果は大きく重要です。その上でも、関節の適切な矯正によって、歪み、アンバランスのない状態を維持する為のメンテナンスは非常に有効です。

膝の痛み

変形性関節症では、痛覚のある骨同士が接触して痛みが出ますから、膝の痛みの原因の1つとして変形性膝関節症があります。膝の痛みでは、変形性膝関節症や軟骨がすり減っているから、など。関節の問題であると思われがちですが、実際には筋肉のアンバランスである事が多いです。

例えば大腿直筋という太ももの前面の筋肉の筋力が十分に発達して、膝関節を支えている状態では膝は安定し痛みが起こらない、或いは起こりにくい状態となりますが、この大腿直筋の筋力が低下した状態で、膝に付着する別の筋肉の筋力が強くなり過ぎる事によって、膝関節が不安定になって、捻じれるなどの関節の歪みが起こる事によって、膝の痛みが起こり易くなります。痛みの主原因は関節では無くアンバランスによって緊張状態となった筋肉が出しています。膝に付着している筋肉で強くなり易いのは太ももの斜め前側にある外側広筋です。この場合、外側広筋は短縮して固着し易くなります。

また、関節の歪みの連動に着目しますと、膝関節の歪みと連動し易いのは足関節、股関節などです。O脚では、膝関節が過伸展、股関節が内旋の歪みを起こす事で、後天的なO脚を形成し易くなります。膝関節の過伸展とは膝が反っている状態、股関節の内旋は内股です。また足関節では内反の歪みが見られます。足の平が内側を向くような歪みです。姿勢や動作の癖としての後天的なO脚は、未来の変形性膝関節症の原因となります。

この様に膝の痛みの多くは、膝付近の筋肉のアンバランスと、膝関節の歪みですから、筋膜リリースやカイロプラクティックのモビリゼーションやアジャストメントによる調整、矯正が有効です。そして、この事は、未来の変形性膝関節症の予防にもなります。

股関節の痛み

股関節の痛みに於いても、膝の痛みと同様に、股関節周囲の筋肉のアンバランスや、股関節の歪みによって、痛みが起こり易くなります。股関節の歪みの連動としても、股関節の下に位置する足関節や膝関節の歪みも関連性が深いと言えます。他には、骨盤の関節である仙腸関節や、股関節と対角線上にある肩関節も連動した歪みが起こり易いです。股関節と肩関節では、右股関節と左肩関節、左股関節と右肩関節は、機能的に連動しますので、歪みも連動し易くなります。

アプローチとしては、膝の痛み同様、筋膜リリースやカイロプラクティックのモビリゼーションや、アジャストメントなどが有効です。

先天性股関節脱臼と臼蓋形成不全

股関節特有の変形性関節症について2つお話します。先天性股関節脱臼と臼蓋形成不全です(きゅうがいけいせいふぜん)です。

始めに先天性股関節脱臼についてお話しします。これは主に出産時に逆子であった時に、助産師さんが足を引っ張ったりした事などが切っ掛けで、股関節が亜脱臼してしまい、そのまま成長してしまった事によります。亜脱臼とは、脱臼方向に少しズレてしまい、凸と凹のはまりが浅くなってしまった状態です。股関節のはまりが浅いと、関節に負担が掛かり、クッションとなっている軟骨に掛かる圧力が増します。この為、軟骨がすり減る度合いが増し、比較的早い時期に軟骨が摩耗しきってしまって、痛覚のある骨同士の接触となり、痛み、そして骨の変形が起こります。痛みや骨の変形の症状が出るのは中高年になってからです。この為、無症状の時期に気付かない事が多いと言えます。

このケースでは、タイミングや、度合いの兼ね合いもありますが、カイロプラクティックのモビリゼーションや、アジャストメントによって矯正が可能ですし、摩耗し易い軟骨のメンテナンスにもなりますから、軟骨を長持ちさせて、未来の変形性股関節症の予防にもなります。

次に臼蓋形成不全についてお話しします。これは赤ちゃんの開排位を無理に矯正する事で起こり易いと言えます。開排位とは赤ちゃんが上向きで寝ている時の股関節屈曲位、外旋位の事で、股関節を曲げて外股になっている体位の事です。この開排位は股関節の臼蓋を形成する上で重要な体位です。臼蓋の形成では、股関節の凹凸の、凹側を深くし、凸側を深く食い込ませています。この開排位に対して、脚を無理に伸ばす様な矯正を行うと、股関節の凹側である臼蓋が浅くなり、凸側である大腿骨頭のはまりが浅くなります。この様に股関節のはまりが浅くなる事により、やはり成長段階で股関節への負担が大きくなり、軟骨に掛かる圧が増す事で、軟骨の摩耗は早くなります。これによって痛覚のある骨同士の接触による、痛み、骨の変形となります。症状の発症時期は、中高年になってからです。過去に、赤ちゃんの時に脚を延ばす矯正をすると、脚が長くスリムになるという迷信が信じられていた時代があって、その様な矯正をしていた時代がありました。この世代の特に女性では、股関節の臼蓋形成不全による変形性股関節症が多くなっています。

アプローチとしては、カイロプラクティックのモビリゼーションや、アジャストメントになります。臼蓋形成不全そのものは治せませんが、摩耗し易い軟骨のメンテナンスによって、変形性関節症の予防となります。

先天性股関節脱臼と臼蓋形成不全では、変形性股関節症となってしまった後でも軟骨の再生、メンテナンスのアプローチとして可能ですが、予防としてのアプローチがベストです。

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