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片頭痛

片頭痛の原因、アプローチについての事例をいくつか挙げてみます。

片頭痛と頭部の血管拡張

片頭痛は緊張型頭痛の次に頻度の多い頭痛です。まずは片頭痛の原因を血管拡張説を元に記述致します。現在では片頭痛の原因には、いくつかの説がありますが、初期の頃は血管拡張のみが原因としてクローズアップされていた為、別名を血管拡張型頭痛と呼ばれたりします。頭部の血管が拡張する事により、周囲の痛みのセンサーである知覚終末や、神経が圧迫され、痛みが発生し、知覚過敏となり痛みの感受性が上がり、より強い痛みとなります。また血管拡張に伴い、毛細血管の間隙(かんげき)から、血液の液体成分と共に炎症メディエーターが滲出(しんしゅつ)し、知覚終末への化学的な刺激により痛みを出します。片頭痛は血管拡張に起因する為、脈拍のリズムで、ズキンズキンと拍動する痛みとなります。痛みの程度は様々ですが、一般的には緊張型頭痛よりも強い痛みである事が多いです。頭部の片側に起こる事が多く、持続時間は多くのケースで数時間から3日程度です。加えて特徴的なのは頭痛に随伴する症状が多いという事です。例えば、吐き気を伴ったり、光や音に対しての過敏、不快感、あるいは頭痛の助長などが挙げられます。これらを避ける為に、なるべく暗く静かな場所で横になる対応を取る事が多い様です。人によっては仕事、日常生活に支障をきたすレベルとなり、その回避策として、鎮痛薬を飲まざるを得なかったり、常用せざるを得ないという状況になり易い頭痛であると思います。

閃輝暗点

また人によっては片頭痛の前兆として閃輝暗点(せんきあんてん)が起こる事があります。これは視覚障害の一種で、視野の中心部分に光る点や暗い点、もしくは曇りガラスの様な曇った領域が現れて、次第に視野の外側に移動し消えていくという現象です。その直後あるいは暫く経ってから片頭痛が起きます。閃輝暗点から片頭痛が起こるまでに頭部で起こっている事は、頭部の血流障害と血流のリバウンド現象です。視覚情報は非常に大きなデータ量ですので、頭部の血流不足の影響を受け易いです。パソコンでも文字より画像、画像より動画の方が大きなデータ容量が必要で、大きな負担となり容量のキャパシティオーバーとなり易い事と類似するかもしれません。その視覚情報に対するキャパシティオーバーとしての視覚障害であり、閃輝暗点です。頭部への血流不足は、身体にとっての緊急事態ですから、速やかに頭部への血流回復が必要です。その結果、起こる事が血流のリバウンド現象、すなわち頭部の血管拡張であり、片頭痛です。

片頭痛と頭部の血管拡張の原因

既述の様に片頭痛は、頭部の血管拡張に起因していますが、血管拡張の原因が人によって様々で不確定です。いくつか挙げてみますと、ホルモンバランスの不調和、低気圧の接近に伴う気圧の変化、精神的なストレスの持続からの解放、

飲食物による誘発などです。

ホルモンバランスの不調和は不規則な生活リズムや、アンバランスな食生活によって起こり易いといえます。また、ホルモンバランスが繊細で複雑な女性の場合、より起こり易いといえるでしょう。女性ホルモンとの関連性で片頭痛が起こり易いのは、卵胞ホルモンのエストロゲンが急増する排卵日前、エストロゲンが急減する月経前、また、炎症メディエーターとの関連性で片頭痛が起き易いのは、プロスタグランジンが急増する月経期です。

低気圧の接近に伴う気圧の変化では、気圧が低くなる事により頭部の血管や、脳や脳神経などの内容物、そして硬膜内で脳を満たしている脳脊髄液などが、頭蓋骨内部で膨張して圧が高まり易くなります。気圧が低くなってスナック菓子の袋がパンパンに膨らむ様に、内部の圧が相対的に高まっている状態です。

精神的なストレスの持続からの解消とは、交感神経優位から、急激に副交感神経優位になる事に伴って、血管の収縮状態から血管拡張へ移行する事によります。例えば、仕事上のストレスがひと段落した週末に片頭痛が起こったりする事などです。これは週末頭痛と呼ばれたりしています。

飲食物による誘発では、飲酒による、アルコールやアセトアルデヒドによって起こる血管拡張作用や、チョコレートやチーズなどを食べる事による、チラミンによって起こる血管収縮作用とポリフェノールによる血管拡張作用です。血管収縮作用は、血流のリバウンド現象による血管拡張を誘発する原因となり得ます。赤ワインに至っては、片頭痛の誘発物質であるアルコール、アセトアルデヒド、チラミン、ポリフェノールの全てを満たしています。

片頭痛と脱分極、皮質拡延性抑制

前記までの血管拡張説以外の、片頭痛の原因として、MRIなどの高度な画像診断装置により裏打ちされた脱分極説(だつぶんきょくせつ)があります。細胞は細胞膜によって細胞の内側と外側が隔てられていますが、細胞の内側と外側には電位差があります。ある一定の電位差で膜が静止もしくは平常時にある状態を、膜の分極といいます。また、この時の細胞膜の内部の電位を膜電位といいます。通常は細胞膜の内部の電位がマイナスで、外部がプラスとなっています。この時、何らかの刺激が加わり、細胞内にナトリウムイオンが流入する事により、細胞膜の内部の電位がプラス方向に変化する事を脱分極といいます。神経細胞に脱分極が起こる事で興奮状態となり周囲の神経細胞に波及していきます。

脳内のどこかで、何らかの刺激、抑制が起こった後に、細胞膜の内外の電位差が乱れる事により、脳内の神経細胞に脱分極が起こると、神経細胞が興奮状態となり、周囲の神経細胞にも波及していきます。

脱分極による、神経細胞の興奮状態は数十秒の後、今度は神経細胞が抑制状態となって、周囲に広がり、やがて脳全体に広がります。これを皮質拡延性抑制(ひしつかくえんせいよくせい)といいます。既述しました閃輝暗点も皮質拡延性抑制による、視神経の神経細胞の抑制によって起こるという説もあります。また皮質拡延性抑制には血流の低下も伴い、血流の低下も脳全体に広がります。更に、この皮質拡延性抑制は、炎症メディエーターの発生を誘発し、発痛物質である炎症メディエーターは、特に三叉神経を刺激します。三叉神経は脳から直接派生する脳神経の1つで、運動神経と感覚神経の混合された神経です。感覚神経としての支配領域は大まかに、後頭部を除く頭部全体と顔面ですので、三叉神経の炎症による痛みは大まかに、後頭部を除く頭痛、顔面痛として認識されます。また炎症メディエーターによって、血管拡張が起こっている為、既述しました様に血管拡張に伴う拍動性の痛みも伴うでしょう。更に血管拡張によって毛細血管の間隙から、発痛物質である炎症メディエーターの流出も加速し、三叉神経以外の場所でも、炎症性の痛みの発生となるでしょう。

また、脱分極や皮質拡延性抑制を起こす原因の部分でも、例えば、前項の血管拡張の項でも挙げました様に、ホルモンバランスの不調和や、気圧の変化、精神的ストレス、飲食物による誘発など、他にも脱分極を起こす原因となる刺激はあると思いますが、原因の部分では、脱分極説、血管拡張説、共に一致する部分は多いでしょう。

片頭痛とセロトニン

片頭痛の原因の説として、もう1つ、セロトニン説について記述します。セロトニンは神経伝達物質の1つです。神経回路は電気回路ですが、神経伝達物質は電気回路の接点のONとOFFを行う役割があります。神経伝達物質には、他にはドーパミンやノルアドレナリンなどがあり、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンは精神的に作用します。具体的には、ドーパミンには快楽、幸福感を感じる作用があり、ノルアドレナリンには不安、恐怖を感じる作用があります。そしてそれらが、どちらか一方に傾き過ぎない様に、ドーパミンの作用とノルアドレナリンの作用を拮抗させる作用がセロトニンにはあります。つまりドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンが、それぞれ快楽回路のスイッチをONにしたり、不安回路のスイッチをONにしたり、快楽回路と不安回路の拮抗回路のスイッチをONにしたりして、脳内で一定の精神的な安定を保っています。この事から、セロトニンが不足すると、快楽回路と不安回路の拮抗回路が上手く働かずに、精神的に不安定となる事がお分かり頂けるかと思います。

加えて、セロトニンの不足は頭部の血管への収縮作用を起こします。収縮した血管は、その後に血流のリバウンド現象によって血管拡張を起こします。拡張した血管と片頭痛の関係性は、血管拡張説の項で記述した通りです。

セロトニンが不足する原因としては、精神的ストレスによって過度に放出されるノルアドレナリンに対し、拮抗作用をするセロトニンも、結果的に大量に必要となるという事と、体内にストックされているセロトニンの量が比較的少ないという事がいえます。セロトニンを体内でつくる為には、トリプトファンというセロトニンの材料を体外から摂取する必要があります。トリプトファンを多く含む食品の中でお勧めなのは大豆製品です。納豆などは殺菌作用も強く、お手頃なので良いと思います。

片頭痛への事前アプローチ

以上の様に、片頭痛の原因として血管拡張説、脱分極説、セロトニン説を元に記述して参りましたが、共通点としては、血管の収縮状態の後に、血管の拡張が起こる事。そして、拡張した血管が周囲の知覚終末や感覚神経への圧迫によって、拍動性の痛みが発生する事と、拡張した血管から炎症メディエーターなどの発痛物質が流出し、周囲の知覚終末や感覚神経へ化学的な刺激を与え、痛みを発生させている事などです。

片頭痛は起こってから、その痛みを軽減、消失させる事が比較的難しいと思われます。鎮痛薬も、回数が増えるに従い効きにくくなるという事もあるでしょう。ですので片頭痛には、事前のアプローチが重要になってくると思います。

まず、事前のアプローチとして、一番お勧めしたいのがクラニオ・セイクラル・オステオパシーによる、頭蓋骨と硬膜および脳脊髄液の調整を定期的に行う事です。また合わせて、他の手技も加える事が必要になりますが、特に重要なのは横隔膜に代表される隔膜へのアプローチになります。これらの手技によって片頭痛が起きにくくなる事、あるいは完全に起きない状態になる事を目的とします。ただし、これらの手技は片頭痛の対処として特化したものではなく、他の様々な効果が期待できます。それは症状に対しての対処的なアプローチでは無く、根幹にアプローチしているからです。

また、その他にも、片頭痛の事前防止の為に、日常生活の中で出来る改善策があるでしょう。いくつか挙げてみたいと思います。

ホルモンバランスの不調和に起因する片頭痛の改善策としては、就寝時間や起床時間などの規則的な生活リズムや、バランスの取れた食生活などです。

気圧の変化に起因する片頭痛の改善策としては、前述しました様に定期的にクラニオ・セイクラル・オステオパシーによる身体のメンテナンスをお勧めします。気圧の変化に対して、頭蓋骨、硬膜内部の水圧が適正に調整され、気圧の変化に対応出来る様になります。また合わせて、比較的お手軽に出来るセルフケアをお伝え出来ますので、気圧の変化の対応策にして頂けます。

精神的ストレスに起因する片頭痛の改善策としては、大豆製品などのトリプトファンを多く含んだ食品を摂取する事などです。

飲食物による片頭痛の誘発への改善策としては、お酒を控えたり、チョコレートやチーズなどを控える事などです。

ごく当たり前の事ではありますが、最低限、片頭痛を誘発する原因を回避する事は必要となるでしょう。

片頭痛含む不定愁訴と外部的な状況や境遇の事情

精神的ストレスに関しましては、例えば仕事や人間関係などでは、身体の事情というより、外部的な、状況であるとか境遇などの事情が絡んできます。この外部的な状況や境遇の事情は、片頭痛とは別の事の様でもあり、実は密接に関係している事でもあり、やるせない部分であると思います。多くの場合、その事情とは、理不尽、もしくは理不尽と感じる何らかの対象で、その対象が解決し難いという事情でしょうから。

この事は、多くの方が、日常的に症状を訴え、尚且つ日常生活に支障をきたす程の辛い痛みや、随伴症状を起こす片頭痛の場合は軽視出来ない問題でしょう。また、片頭痛に限らず、その他の多くの病気や不定愁訴に於いても同様です。

この外部的な状況や境遇の事情を解決するのは、むしろ人間力であり、人生のテーマともなる事であると思いますが、心身は一体ですから、病気や不定愁訴と向き合う上でも、この事は無視できない要素である事は間違いありません。

手技療法では、自然治癒力に基づき、身体の内部的変化を起こす事で、心身の状態を中立状態に近付け、また、中立状態を保とうとする力、恒常性が働く状態にする事で、外部的な状況や境遇事情の解決へのバックアップとします。理性的、建設的な行動には、心身の中立、そして正常な状態が必要であるからです。

片頭痛と毒素の蓄積、排出

それから薬やビタミン剤、防腐剤などの化学物質をあまり摂取しない事も重要です。脳内に蓄積された化学物質としての毒素は排出時に炎症を伴い、頭痛を誘発します。例えばファスティングに伴う頭痛には、他の原因もありますが、脳内に蓄積した毒素排出に起因する部分も多分にあります。現象は違いますが、ウイルスが体内に入り感染した時に、ウイルスを死滅させ体外に排出する時には、風邪の症状が起こります。体内で炎症を伴い、熱や頭痛、咳や鼻水などの辛い症状が出ます。ウイルスは身体にとっては異物であり排出対象です。異物を排出する時には痛みなどの辛い症状が伴います。毒素排出も同じです。

毒素は蓄積する時には無症状もしくは、症状の出方が緩慢ですが、やがて細胞は病変組織へと傾き、病気の原因ともなります。反面、毒素を排出する段階では、即座に自覚する様な辛い症状が出ます。

この様に、健康状態に戻す為に必要な毒素排出の過程が、悪い事の様に自覚され、毒素の蓄積が悪い事の様に自覚されにくい所が盲点となっています。

改善策は繰り返しになりますが、薬やビタミン剤、防腐剤などの化学物質をあまり摂取しない事と、1日2食にするなど適度に空腹となる時間をつくる事、あるいは、たまにファスティングをしてみる事も良いでしょう。それから十分な水分補給も重要です。寒天を押し出す様に細胞に蓄積した毒素を押し流す効果があります。

さて、その反面として薬の場合は、即座に辛い症状を取ってくれますから、良い事の様に自覚され易いという事が起こりがちです。しかし薬は一時的に症状を消失させるものの、原因の解決、すなわち身体の病変組織、病気を治癒させる事が出来ません。片頭痛に対しても同様で、近代医学では、最終的には薬による治療という方向性になってしまうと思います。ここが薬物療法、アロパシー在りきの近代医学の盲点でもあり、弱点でもあり、有害性でもあるでしょう。なぜ、アロパシー在りきとなっているのか?については、ここでは省略します。

この項での結論としましては、前述の様な毒素排出と、毒素を蓄積しない事の重要性も含め、代替医療、手技療法の観点からは、やはり薬以外の解決法を見出し、そして提供していく方向性となります。

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