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疲労

肉体疲労

疲労は、何となく身体全体に起こる、どことなくアバウトな感覚の、非特異的な症状であると思います。非特異的というのは、症状の出る場所や、その原因が特定的、限定的ではないという意味合いがあります。疲労という症状は多くの方が訴える症状です。また、疲労には精神的な疲労や、肉体的な疲労があります。この2つには相関関係がありますが、ここでは主に肉体的な疲労について記述していきます。

疲労という症状、原因は様々ですが、筋肉に起因する疲労もその1つです。例えば身体は常時、摂取した栄養素と酸素を使い、エネルギーを生み出し、自身の身体のつくり変えを行っています。これが新陳代謝ですが、代わりに二酸化炭素と老廃物を排出します。筋肉は特に、大きなエネルギーを生みますが、代わりに排出される二酸化炭素や老廃物の排出量も大きくなります。二酸化炭素や老廃物は、停滞すると重さを伴った、疲労感覚を出します。停滞する原因は筋肉のこりなどです。収縮して固まっている筋肉が血管をギュッと握って、血流を阻害します。すると血管外の体液である、間質液の対流も低下します。筋肉を含む各細胞は間質液に浸っており、間質液を通して、酸素、栄養素を受取り、二酸化炭素、老廃物を排出しているので、血流と間質液の対流が低下すれば、酸素、栄養素を上手く受取れず、二酸化炭素、老廃物は停滞します。満員電車の停滞した淀んだ空気の中で、疲労してしまう様なイメージです。

筋肉の疲労物質

筋肉に停滞する老廃物の中で、疲労物質というと乳酸であると、一般的には浸透していると思いますが、現在ではカリウムイオンやリン酸であると考えられています。筋肉はミクロの世界ではゴム状では無くて、アクチンとミオシンという細かい、ひも状の組織のフィラメントが、互い違いに配置されている構造になっています。ある筋肉に、脳から収縮命令が出されると、その命令は電気信号となって運動神経を通じてやってきます。しかしその電気信号は直前で止まり、筋肉に命令する事が出来ません。ここから先は液性信号になります。液体を通して化学物質が命令を伝えます。筋肉の収縮命令はカルシウムイオンです。互い違いに配置されるアクチンとミオシン、そしてニュートラルのポジションにあるアクチンとミオシンに、カルシウムイオンが放出されると、アクチンとミオシンはお互いに近付きます。これが筋肉の収縮です。カルシウムイオンは筋小胞体(きんしょうほうたい)という袋に収まっていて、脳からの然るべき命令に従い、放出と回収を行います。カルシウムイオンの回収によって筋肉は弛緩します。カリウムイオンやリン酸は、この筋肉の収縮を阻害する為、増えすぎると筋肉疲労を起こし、筋肉を動かしづらくなります。

ストレッチと筋膜ストレッチ

これら疲労物質を溜めない為、或いは溜まった疲労物質を流す為のアプローチとしては、ストレッチなどは有効です。ストレッチは伸ばし過ぎない方が良いと思います。筋繊維を傷めない様にする為です。痛気持ちいい、ではなくて、気持ちいい、程度が良いと思います。また、運動の前後では、前ではなく後にやる事がおすすめです。ストレッチをした筋肉は、暫くの間、筋力低下を起こすからです。運動前にストレッチをすると、その運動のパフォーマンスを低下させる事になります。加えて、運動前の温まっていない状態でのストレッチは、筋繊維を痛め易いといえます。運動前は、動かしながら行うウォーミングアップをして、ストレッチは運動後のクールダウンで行う方針です。同様に、ストレッチをするタイミングとして、午前と午後で比較すると、午前より午後の方がおすすめです。起きてすぐより、暫らく時間が経過してから、という事です。これも、より身体が、ほぐれている状態でストレッチする事で、筋繊維を痛めない為です。

またストレッチは1度に長くやり過ぎない事がおすすめです。長くて1度に30秒程度が良いと思います。ストレッチによる筋肉の伸長を長くやり過ぎると毛細血管の血流の阻害になるからです。ストレッチして、ストレッチを解除、ストレッチして、ストレッチを解除、と断続的に数セットやるのが良いと思います。他には、単体の筋肉ではなく、複数の筋肉を包んでいる筋膜を狙って、筋膜ストレッチを行う事は効率が良く、効果も高いです。この場合、個々の単体の筋肉のストレッチは、より負担が小さくなる様に伸びしろを小さめにして、30秒ではなくて最低、90秒持続させます。筋膜のコラーゲン組織の癒着を解放する為には30秒では短い為、最低90秒持続させます。代わりに、個々の筋肉、内部の毛細血管への負担を少なくする工夫を加えます。

ストレッチ、および、筋膜ストレッチは、どこに行うか、という場所の特定と、ストレッチの仕方が重要です。この辺りは、セルフケアとして適宜、お伝えしたいと思います。

ミルキングアクションとウォーキング

筋肉内の疲労物質を溜めない様に、また、溜まった疲労物質を流す為のアプローチとして、ストレッチの他には、筋肉を動かして血流を促すミルキングアクションを起こすアプローチも良いと思います。ミルキングアクションは、牛のミルクしぼりがその名前の由来です。自身の意思で筋肉を動かす自動運動としてのミルキングアクションとしては、例えばウォーキング等は非常に良いでしょう。ウォーキングは、筋骨格系の歪みや、歩き方の癖があると、逆に身体を疲れさせたり、痛めたりする事があります。例えば、脚の土台となっている距骨(きょこつ)という骨があります。位置的には、かかとの骨である踵骨(しょうこつ)の上にあります。この距骨の歪みによって、その上にある、すねの骨である頚骨、頚骨の外側にある腓骨、頚骨の上にある大腿骨、大腿骨の上にある腸骨、腸骨と接している仙骨、仙骨の上にある脊椎、脊椎の上にある後頭骨、そして頭蓋骨まで歪みは波及します。骨格系が歪むと、筋肉の長さのアンバランスも生まれます、これは同時に筋膜のアンバランスにもなります。ですので身体の筋骨格系が整っている事と、歩き方にバランスを崩す癖が無い事は重要です。ですので筋骨格系の歪みを、カイロプラクティックや筋膜リリース、オステオパシーや整体によって整えておく事は、ウォーキングによるネガティブな要素を排除し、動きやポンプ作用によって、血流や体液循環を促し、筋骨格系を整えるといったポジティブな要素を生み出す事が出来ます。歩き方の注意点として1つ挙げておくと、かかとから着地し、つま先で蹴るという事。土踏まずと、足首のクッション機能を生かす為です。こうする事で膝から上の各関節への衝撃を緩和する事が出来ます。そして、つま先から蹴る時は母指球(ぼしきゅう)で蹴る事です。母指球は足の親指の付け根の少し膨らんでいる部分です。親指側で蹴るとイメージして下さい。こうする事で、先に挙げました距骨の歪みを防止する事になります。距骨の歪みを防止する事は、その上にある骨格系の崩れを防止する上で非常に重要です。逆に小指側で蹴ると距骨の歪みが起こり易く、その上の骨格系が崩れ易くなります。特に内股歩きによって、小指側で蹴り易くなるので注意が必要です。股関節が外股、内股でなくニュートラルに真っすぐの位置では、個人差がありますが、つま先の向きは外側15度を向きます。右と左のつま先の向きは合わせて30度となるくらいです。この様に、つま先が少し外側を向くと、股関節はニュートラルに真っすぐを向きます。その状態で歩くと自然と蹴る時に母指球で蹴る事が出来るでしょう。

また、他動運動としてのミルキングアクションは施術にて提供出来ます。自動運動としての他動運動よりも効果が高いのでお身体のメンテナンスに是非ご利用下さい。

疲労と食性、消化吸収、代謝、排泄

身体の疲労を起こす1つの要素として、消化吸収を挙げておきます。生物には種という区分けがあり、種には食性というものがあります。食性とは、種ごとの食の適性です。ライオンは肉、シマウマは草、そしてチンパンジーは果物です。チンパンンジーのDNAは人間と限りなく近いといわれますが、人間の食性はチンパンジーと同じく果物です。果物には酵素が含まれており、この酵素によって、人間は、果物を摂取した時には、自身の消化酵素を必要とせず、速やかに、胃、十二指腸、を通過し、そして小腸から栄養素、大腸から水分を吸収します。腸内で腐敗する事もありません。熱を加えると酵素が破壊されてしまうので注意が必要です。果汁100%ジュースでも、濃縮還元のジュースでは酵素は破壊されています。生で摂取するのが良いという事です。ジュースでいうとストレートジュースです。野菜も同様に人間の身体には適しており、やはり野菜に含まれる酵素を破壊しない様に生で摂取するのが良いです。果物や野菜を、火や熱を通さないローフードとしての摂取。また、ヒポクラテスの時代からある健康哲学、ナチュラル・ハイジーンに基づくと、1日の人間の消化吸収、代謝、排泄のサイクルは、12時から20時は消化吸収に適している時間帯、20時から4時は代謝に適している時間帯、4時から12時は排泄に適している時間帯。となっています。この中で、消化吸収に使うエネルギーは非常に大きく、消化吸収で使ったエネルギーの分だけ、代謝や排泄に必要なエネルギーを奪います。代謝とは、細胞のエネルギーと、細胞自体ををつくり出す営みですから、人間の活動力が低下します。排泄とは単に摂取した食の不要な部分だけではなく、体内に蓄積した毒素を排出する営みですから、毒素が蓄積します。この様に消化吸収に莫大なエネルギーを使い、代謝による活動力は低下し、排泄による毒素排出は滞ります。これは疲労の原因だけでなく、やがて病気へと傾いていく原因ともなります。

疲労と炭水化物、動物性タンパク質

さて、消化吸収によって莫大なエネルギーが必要となる食は、炭水化物、動物性タンパク質、です。炭水化物は糖質と同質のもので血中で糖質になりますが、炭水化物は、糖質に食物繊維が組み合わさったものです。分解に手間のかかる分子構造の炭水化物は、体内の消化酵素を大量に必要とし、消化吸収に莫大なエネルギーを必要とします。動物性タンパク質も同様に、分解に手間がかかり、体内の消化酵素を大量に必要とし、消化吸収に莫大なエネルギーを必要とします。また、炭水化物と動物性タンパク質は、消化酵素による分解後の高分子のサイズが大きい為、小腸の壁を通過できず、不要部分が便となって、長期滞在し易く、炭水化物は醗酵、動物性タンパク質は腐敗します。いずれも腸内で毒素を出し、その毒素は腸の壁を通過して血中に入ります。そして毒素は細胞内で蓄積され、疲労、病気の原因となり得ます。

一方、既述しました様に、生の果物、野菜は、酵素を持っており、体内の消化酵素を必要とせず、消化吸収に使うエネルギーも少なくて済みます。食後の消化吸収による疲労感、眠気も少なく、エネルギーを代謝、排泄に回す事が出来る為、代謝、排泄のエネルギー効率が良いといえます。

消化吸収、代謝、排泄のサイクルに当てはめてみますと、朝から昼にかけて摂取するのは果物のみです。お昼を過ぎてから昼食として摂取するのは、野菜と魚をメインとします。夕食は何も摂取しない、若しくは摂取する場合は、遅くとも20時前までに、やはり野菜と魚をメインにします。そして炭水化物、魚以外の動物性タンパク質はなるべく摂取しないという方針が、ナチュラル・ハイジーンではいわれています。つまり、代謝に適した時間帯、排泄に適した時間帯には、何も摂取しない、若しくは、果物のみを摂取して、消化吸収に適した時間帯には野菜と魚を摂取する事で、なるべく消化吸収にエネルギーを消費しない様にする方針です。これによって疲労を溜めない、或いは疲労回復、代謝、排泄の効率を上げる効果が期待出来ます。とはいえ、炭水化物、動物性タンパク質は、程々であれば摂取しても良いと個人的には思います。バランスが大事という事です。それから食を楽しむという事も大事だろうと思うからです。

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