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緊張型頭痛

緊張型頭痛の原因、アプローチについての事例をいくつか挙げてみます。

緊張型頭痛と筋肉の緊張

緊張型頭痛は、頭痛全体の8割~9割を占める、最も多い頭痛です。痛みの質は、頭重感を伴う、頭部を締め付けられる様な感覚で、ズキンズキン痛む様な拍動のリズムに伴う痛みの強弱を伴いません。痛みの程度としては、比較的、強くはなく、仕事や日常に支障をきたす程ではありません。時間経過に伴う痛みの強弱があり、数日から数週間、或いは、ほぼ毎日続く様な慢性的な頭痛です。

緊張型頭痛は頭部および頭部周囲の筋肉の緊張に起因しています。頭部周囲の筋肉の緊張によって痛みのセンサーである知覚終末が絞扼による物理的な刺激を受け痛みが発生します。また、関連痛によって首、肩の緊張箇所の痛みが頭部に飛ぶ事、そして感覚神経が筋肉の緊張により絞扼される事で知覚過敏となる事で、痛みに対して敏感になり、結果、痛みが増幅する事などによります。

この様に緊張型頭痛では、頭部周囲の筋肉が緊張状態にありますので、肩や首、目の周りや目の内部に、疲労感や痛みを伴う事が多いです。

これら頭部周囲の筋肉の緊張には、頭部周囲の筋肉に負担のかかる様な姿勢や動作等の身体的、外的要因や、人間関係や仕事上のストレスなどの精神的、内的要因が挙げられます。

緊張型頭痛、筋緊張の外的要因

身体的、外的要因では、例えば、ボーリングの玉くらいの重さのある頭部が背骨の中心軸上に乗っている場合、その頭部の重さを背骨と、その周囲にある深部の筋肉、インナーマッスルで支える事が出来る為、頭部の重さを支える身体の負担は最小限で済みます。これが例えば、デスクワークによる、頭部の前方移動と首、背中を丸める様な姿勢を取った時には、背骨の中心軸から前方に移動した頭部の重りを、曲がった背骨とインナーマッスルでは支えきれなくなり、より表層にある筋肉、アウターマッスルも動員して、筋肉が頑張って頭部の重りを支える事になります。結果、筋肉の負担が大きくなり緊張状態となります。この時、頭部周囲の首、肩の筋肉も緊張状態となり、緊張状態となった首、肩の筋肉内部に出来るトリガーポイントと呼ばれる、局所的な収縮箇所が関連痛として頭部に痛みを飛ばし、これが筋緊張型頭痛となります。

緊張型頭痛、筋緊張と内的要因

精神的、内的要因では、例えば仕事上の精神的ストレスなどにより、自律神経の中で交感神経が優位になります。自律神経は脳と身体を繋ぎ不随意に生命維持と生命維持の補助をする為の電気信号の回線です。不随意とは、自身の意思でコントロールする事が出来ないという意味です。この自律神経には交感神経と副交感神経がありますが、大まかに交感神経は身体的に精神的に緊張させる様に働き、副交感神経は身体的に精神的にリラックスさせる様に働きます。また交感神経と副交感神経には拮抗関係があり、片方が活性化すると、もう片方は不活性化します。両方が活性化したり両方が不活性化する事はありません。シーソーの様な関係です。精神的ストレスによって交感神経が活性化すると、筋肉は緊張状態となります。また、精神的ストレスの影響を、特に受けやすい筋肉もあります。例えば、鎖骨の中央部から耳の後にかけて走行している胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)です。胸鎖乳突筋の関連痛は耳の内部、耳の後、目の周り、額に出ます。これは緊張型頭痛として自覚する症状です。

この様な内的な要因と、前項の外的な要因は、日常生活の中で起こる頻度が非常に多く、緊張型頭痛の頻度の多さと比例しているともいえるでしょう。

驚愕反応

前述の様なデスクワークでの頭部前方移動、猫背姿勢。それからデスクワークをしながら、抱える仕事上での精神的なストレス。この様に、外的要因と内的要因は重なる事も多いと思います。デスクワークの時に多く見受けられる頭部前方移動と猫背姿勢は、精神的ストレスを抱えた時にも起きやすい姿勢です。

ここで驚愕反応(きょうがくはんのう)について少しお話しします。例えば、猫が驚いた時に取る姿勢を想像してみて下さい。背中は丸まり文字通りの猫背となります。背骨が丸まると連動で頭部は下を向く様に動きますが、実際、猫は正面を向いています。驚異の対象を見る為です。猫背の状態で正面を見る為には、頚椎の上で頭部は上を向く様に動かさなくてはなりません。つまり背骨は全体的に丸まりながら、頭部だけ反っている状態です。この様にネコ科の動物、或いは陸上の哺乳類が、驚異の対象に遭遇した時に、弱点である腹部を守る様に背中を丸め、驚異の対象を見る為に頭部を起こす反応を驚愕反応と言います。

そして人間にも驚愕反応は起こります。誰かに脅かされた時に瞬間的に取る姿勢を想像してみて下さい。また驚愕反応の姿勢は、瞬間的に取るという事だけでなく、持続的に続く事もあります。精神的ストレスを抱え続けている時です。それは例えば仕事上での精神的なストレスです。デスクワークの時に取りがちな姿勢である頭部前方移動、猫背姿勢と見事に一致します。

緊張型頭痛と後頭下筋

デスクワーク時や、驚愕反応による、頭部前方移動、猫背の姿勢を取っている時に、短縮して固着、緊張状態となる筋肉は後頭骨と頚椎をまたぐ複数の筋肉、後頚筋群(こうけいきんぐん)です。後頚筋群の中でも特に、後頭骨と上部頚椎をまたぐ筋肉および部位は、特に短縮固着を起こしており、その周囲にある拮抗関係にある筋肉を引っ張ったり、筋膜を引っ張る事により、二次的な伸長固着、短縮固着の発生につながり、首、肩を含む頭部の周囲の筋肉のアンバランスをつくっています。つまり頭部周囲の二次的な筋緊張の一次的な原因となっている筋緊張の1つが、後頭骨と上部頚椎をまたぐ筋肉および部位の短縮固着です。その中の1つに、後頭下筋(こうとうかきん)がありますが、後頭下筋の筋緊張によって出来る、局所的な収縮ポイント、トリガーポイントの発生によって関連痛は、側頭部、耳の高さの辺りに飛びます。頭の側面を締め付けられる様な痛みの感覚です。心理的には痛みのある場所に何か原因がある様に思いがちですが、このケースでは、側頭部の耳の高さには何も原因が無く、原因は後頭下筋の短縮固着による緊張状態にあります。ただし後頭下筋が側頭部に飛ばしている関連痛が持続すると、その側頭部にある痛みによって、局所的に交感神経が活性化されて、側頭部にある筋肉を含む軟部組織にも緊張状態がつくられます。交感神経の働きは、毛細血管を収縮させますので、絞扼された血管が、更に収縮を起こす事で血流や体液循環が滞り、更に筋肉は緊張します。

この様に一次的な、筋肉の短縮固着による緊張が、拮抗筋への連鎖や、筋膜を通じた膜の連鎖、関連痛による局所的な交感神経の活性化による連鎖により、周囲の筋肉に二次的な緊張をつくり、頭部周囲に重だるさを伴った痛みを波及させ緊張型頭痛となります。

緊張型頭痛と、軟部組織、関節へのアプローチ

緊張型頭痛について後頭下筋を一例に、頭部周囲への筋緊張の連鎖と、痛みの波及について記述しましたが、この様に、緊張型頭痛では、痛い場所に原因が無い事が多く、一次的な筋肉の緊張と、二次的な筋肉の緊張の複合的な筋肉の緊張状態、複合的な関連痛を含む頭部周囲の痛みである様に、原因と症状が複合的です。

アプローチとしては、一次的な筋肉の緊張、つまり短縮固着している筋肉への筋膜リリースと、それによるトリガーポイントの消失です。また、トリガーポイントへの、より直接的なアプローチとして、トリガーポイントセラピーも有効です。頭部に関連痛を飛ばしているトリガーポイントの消失により、緊張型頭痛を消失、緩和する事が可能です。

また筋肉の緊張や、アンバランスは関節の歪みとも連動していますので、上部頚椎を含む頚椎や、上部胸椎、肩関節、鎖骨や第1肋骨、第2肋骨などへのカイロプラクティック的なアジャストメントやモビリゼーションなども有効です。関節が歪んで固まり、ロックしている状態ですと、筋膜リリースやトリガーポイントセラピーなどの、筋膜や筋肉などの軟部組織の緊張、固着を解放しても、関節の歪み固着は解放されませんので、関節への操作によって、解放させていく必要があります。

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