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頭痛

頭痛の原因、アプローチについての事例をいくつか挙げてみます。

頭痛の種類と危険な頭痛

頭痛は、いくつかの種類に分類する事が出来ます。まず大別しますと、頭痛には一次性頭痛と二次性頭痛があります。一次性頭痛は慢性的な頭痛で、疾患などの一次的な原因が無く、また、原因が不明確な頭痛です。二次性頭痛は、疾患などの一次的な原因があり、その一次的な原因が取り除かれれば、解消する頭痛です。二次性頭痛には以下の様な頭痛があります。

・クモ膜下出血による頭痛

・脳腫瘍による頭痛

・薬物乱用頭痛

・アルコールの過剰摂取による頭痛

等です。この中でクモ膜下出血による頭痛と、脳腫瘍による頭痛は命に関わる頭痛ですので医療機関の受診が必要となるでしょう。特に気を付けたいのは、リスクと共に緊急性の高い、クモ膜下出血で、これは頭蓋内出血(とうがいないしゅっけつ)の1つに分類されます。激しい頭痛が急激に起こるのが特徴です。脳内出血や脳腫瘍による頭痛に対して、慢性頭痛のある方は、普段と痛みの度合いが違う頭痛、または普段と痛みの質が違う頭痛を感じた時は要注意です。また、慢性頭痛の無い方が、急に頭痛を感じた時なども要注意です。この様な命に関わる緊急性のある頭痛は、手技療法では専門外、そして禁忌となります。

薬物乱用頭痛

薬物乱用頭痛とは、慢性的な頭痛持ちの方が、痛み止めの為、頭痛薬の投薬の頻度が多かったり、複数の頭痛薬の投薬を常用する事によって、徐々に鎮痛効果が薄れ、効かなくなり、やがて痛みが増幅してしまったり、新たな頭痛が起こり、複合的でより、複雑な頭痛を起こす事によります。この増幅された頭痛、新たな頭痛が薬物乱用型頭痛です。石油から生成された化学薬品は、人間の身体にとっては不自然な化学物質、そして毒素であり、摂取されると積極的に排出される対象となります。そして常用する事によって、その化学物質としての毒素に対して耐性が出来てきます。その化学物質に鎮痛効果があるのであれば、その効果が薄れ、効かなくなるという事です。また毒素の一部は上手く排出されず、細胞内に残留して病変組織となり病気へと傾く原因にもなります。また細胞には神経細胞も含まれますので、神経細胞に蓄積した化学物質としての毒素が、神経に化学的な刺激を起こし、知覚過敏となって頭痛を増幅していると考えられます。一度細胞内に蓄積された毒素は、排出に時間と労力がかかります。その事は脳細胞に蓄積された毒素に関しては特にいえます。頭痛薬を断ってから、毒素が脳から完全に抜けるまで、1種類の頭痛薬であれば数ヵ月、複数では年単位になる事もあるといわれています。薬物乱用頭痛では頭痛薬を断つ事が必要です。耐え難い痛みに対して、頭痛薬を断つ事もまた難しいとは思いますが、なるべく常用しない、そして複数の頭痛薬の投薬をしない方向性もまた、必要な事です。また、毒素排出には、水分補給や発汗、ファスティングによるデトックスが有効に働きます。また、筋骨格系の調整、神経伝達や体液循環の正常化、そして内臓機能の向上など、手技療法によってもお力になれると思います。

アルコールの過剰摂取による頭痛

アルコールの過剰摂取による頭痛は、お酒の飲み過ぎによって起こる頭痛、またはお酒に弱い方がお酒を飲む事によって起こる頭痛です。これはお酒を控えめにするか、もしくはお酒を飲まなければ問題ない事とは思いますが、お付き合いで飲む機会があったり、飲む事が好きだったり楽しいという方もいらっしゃると思いますので、補足説明としてアルコールの過剰摂取による頭痛の原因をいくつか挙げてみたいと思います。

まず、アルコールの脱水作用で身体の水分量が減り、結果、脳細胞の水分量が減る事と、脳の周囲を満たしている液体である脳脊髄液(のうせきずいえき)の水分量が減る事による水圧の変化、神経の知覚過敏による頭痛です。

それから、アルコールと、肝臓がアルコールを分解した時に生成される有害物質、アセトアルデヒドによって頭部の血管が拡張する事によって、血管周囲の神経が知覚過敏となる事による頭痛です。また、アルコールやアセトアルデヒドなどの有害物質による、頭部の血管の拡張には、軽い炎症を伴い、炎症メディエーターなどの発痛物質が知覚終末を刺激する事による痛みが伴う事もある様です。

以上の2つをまとめますと、アルコールの過剰摂取による頭痛では、体内の水分量の低下と、アルコール、アセトアルデヒドの増加が一次的な原因となっていますので、対応策として、お酒を飲む時には水分補給が有効です。事前に、或いは飲みながら、こまめに水分補給するという事です。

またアルコールは肝臓で有害なアセトアルデヒドに分解された後、無害な酢酸に分解されますが、日本人含む東洋人は、アルコールの分解は得意でアセトアルデヒドの分解が苦手なタイプが多い様です。お酒を飲む量が多かったり、飲むペースが早かったりすると、アルコールが分解された事による、アセトアルデヒドの大量な生成に対して、アセトアルデヒドから酢酸への分解が追い付かず、アセトアルデヒドが体内を巡る事になります。人体にとって、より有害なのは、アルコールよりもアセトアルデヒドで、二日酔いの症状を引き起こす有害物質でもあります。ですのでアルコール過剰摂取による頭痛や、二日酔いの対応策として、お酒を飲む時は、量は控えめに、ペースはゆっくり、という事が有効です。

一次性頭痛と群発頭痛

以上、二次性頭痛について、いくつか記述してきましたが、次に一次性頭痛について記述していきます。最初にお書きしました様に、一次性頭痛には、疾患による原因や、薬やアルコール等、外部から摂取される事による原因が無いという事です。ただしアルコールに関しては一次性頭痛を誘発、増強する事はあります。

つまり、一次性頭痛には頭痛という症状を引き起こす一次的な原因がありません。頭痛そのものが一次性という事です。そして、頭痛という症状を引き起こす、内部的な何らかの原因が二次性頭痛と比較して不明確です。それから、もう1つの特徴が、慢性的という事です。いわゆる頭痛持ちの方が日頃、感じている頭痛です。一次性頭痛には以下の様な頭痛があります。

・緊張型頭痛

・片頭痛

・群発頭痛

です。この中で、特に頻度の高い、緊張型頭痛、片頭痛は別項を設けていますのでこちらをご参照下さい。→[緊張型頭痛] [片頭痛]

ここでは比較的、頻度の低い群発頭痛について記述していきます。ある特定の周期をもち、特定の時期、時間帯に群発的に起こる為、群発頭痛といいます。季節の変わり目の1ヶ月間、ほぼ毎日、夜中の同時刻に2時間程、発作的な頭痛があり、その群発的に頭痛が起こる時期、時間を過ぎると1年~2年は頭痛が起こらないといった周期的、規則的な頭痛の発生となります。また群発頭痛の特徴は、痛みの強さです。数ある頭痛の中で最も痛みが強く、人間が耐え得る痛みの限界を超えてしまうといわれています。痛みは主観的なもので明確に測れるものではありませんが、疾患含む数ある身体的な症状の中で、心筋梗塞と、胆石症や尿路結石症などの結石による痛みと並ぶ、三大激痛といわれています。なった事がある人にしかわからない、周囲の人が想像できない痛みである事から、その痛みに対する理解が得られずに、誤解も生まれやすい頭痛であるともいわれています。

群発頭痛の原因は不明な点が多いですが、頭部の血管拡張に起因しているといわれています。また、群発頭痛が頻発する群発期には、アルコールの摂取により、頭部の血管拡張、そして群発頭痛の引き金となる様ですので、アルコールを摂取しない事は最低限、必要な事でしょう。

群発頭痛の原因と生活習慣の改善

さて群発頭痛の原因とされる頭部の血管拡張では、特に、眼球の奥にある血管の、炎症を伴った拡張と、目の奥の痛みが特徴的です。この頭部、および眼球の奥の血管拡張には、自律神経の乱れが関わっているといわれています。自律神経系の中枢は視床下部ですから、視床下部の統合機能の乱れであるともいえます。

また、群発頭痛の原因、頭部の血管拡張には体内時計の乱れも関わっているともいわれています。この体内時計の乱れもまた、自律神経や視床下部の統合機能の乱れと同義でありますが、体内時計の乱れは、概日リズム(がいじつリズム)を調整するホルモンであるメラトニンを分泌する松果体(しょうかたい)の統合機能の乱れであるとも推測出来ます。概日リズムというのは一般的に言われる体内時計と、同義であると捉えて良いと思います。

群発頭痛、頭部の血管拡張の、他の原因としては、ホルモン系の乱れが関わっているともいわれますが、ホルモン系の中枢は下垂体(かすいたい)ですので、下垂体の統合機能の乱れも推測出来ます。更に下垂体を制御しているのは、前述の視床下部です。

つまり、自律神経、概日リズム、ホルモン系の乱れは、それらを統合している頭部の中枢器官である、視床下部、松果体、下垂体の機能異常と、その機能異常を起こす何らかの原因があるのだろうと推測出来ます。

その原因とは、例えば、精神的ストレス、生活リズムの乱れ、食のアンバランス、薬物や防腐剤などの化学物質としての毒素の摂取等、生活の中にある原因は大きいだろうと思います。結果として、筋骨格系の歪み固まり、神経伝達と体液循環の低下、自然治癒力と恒常性の低下、そして脳の生命維持装置および生命維持の補助装置である中枢の機能異常、という事です。ですから生活習慣の乱れを改善する事が、体内の乱れを改善する上で、とても重要であるという事です。

群発頭痛と頭蓋骨へのアプローチ

群発頭痛の対応として、手技療法に於いては、より直接的に関わる部位、そしてアプローチでは頭蓋骨の調整が有効であると思います。頭蓋骨の調整は、頭蓋骨の内部にある硬膜の調整であり、硬膜の内部の脳脊髄液(のうせきずいえき)の水圧、還流の調整であり、脳神経の調整であり、脳の調整です。つまり頭蓋骨の歪みは、硬膜にひずみをつくり、脳脊髄液の水圧と還流に悪影響を及ぼし、脳神経、脳のストレスとなり機能異常や、機能異常に伴う症状が誘発されます。その改善策としての頭蓋骨の調整であり、頭蓋骨の調整とはクラニオ・セイクラル・オステオパシーです。頭蓋骨の1つである後頭骨と、硬膜と、脳脊髄液の調整を、より効果的にする為に仙骨の調整も含みます。また、先程ご説明しました、頭部の中枢器官である、視床下部、松果体、下垂体の機能改善の為には、クラニオ・セイクラル・オステオパシーに属するテクニックの1つ、CV-3というテクニックが有効であると思います。第3脳室圧縮テクニックの事で、第3脳室の空間的な制限、大脳半球の自動運動の非対称性、そして視床下部、下垂体、松果体の機能障害に適応するテクニックです。

群発頭痛は原因不明な点が多いですが、前項の、生活習慣の問題や、それに伴う身体の内部での、より全体的で間接的な問題、より部分的で直接的な問題、そしてそれらトータル的に多角的に診ていく事で、その中に原因不明と言われている原因が含まれている可能性は高いと思いますし、その可能性の追求が重要であると思います。

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